うつ病は早く発見して適切に治療をすれば治る病気です。そのためには、兆候を見逃さずに専門医を受診することが大切です。熱や痛みの症状が現れるわけではないので、気づきにくいこともあります。また、不眠や倦怠感、食欲不振など身体的な症状の原因が、うつ病だと気づかないこともあります。内科などを受診しているうちに治療が遅れてしまうこともあるので注意が必要です。一般的にうつ病の初期には気分の落ち込みやイライラ、不安や焦りなどが現れます。毎朝、新聞を読む習慣があったのにもかかわらず読まなくなることや、お気に入りのテレビ番組をみなくなるなど、興味や関心がなくなることもあります。発症すると心身のエネルギーが失われてくるので基本的に心か体のどちらかに何らかの症状が出るのが一般的です。進行してくると抑うつ気分が強くなるので、症状がよりはっきりしてきて日常生活を送るのが難しくなります。さらに進行するともっとも症状が重くなり、エネルギーが極端に低くなるので、心も頭も働かなくなり、ほとんど寝込んだ状態で苦痛にたえることになります。病院を受診してうつ病だと確定すると、まずはうつ病に関して知識理解が求められるのが通常です。その後、中等度・重度のうつ病の場合には薬による治療が中心になります。診断が確定したらすぐに抗うつ剤などを飲み始めます。主にドーパミンやセロトニン、ノルアドレナリンという神経伝達物質の働きを強めることにより症状を改善する抗うつ剤が使用されます。第一選択薬とされているのがSSRIでうつ病により働きが弱まるとされているセロトニンの働きを高める効果を発揮する抗うつ剤です。同じくよく使われているのがSNRIでこちらはセロトニンとノルアドレナリンの働きを強めます。加えて、近年新しい抗うつ剤であるNaSSAというものが開発され、前述の2種とは異なる仕組みでセロトニンとノルアドレナリンの働きを強め、こちらもよく使われるようになっています。これらの薬が効かない場合には、古くからある三環系抗うつ剤が使用されることもあり、もう一種、四環系抗うつ剤がありますが、副作用が少ないものの肝心の抗うつ効果が薄いため現在ではあまり使われていないというのが実情です。これらの抗うつ剤の中でどれが合うのか、効果や副作用をみながら判断していきますが、仮に効果がみられない場合には、抗うつ剤以外の薬を使用するあるいは抗うつ剤と別の薬を併せて使うことになります。薬を飲まなくてもうつ病は回復するといわれることもありますが、それではかなりの時間を要しますし、苦痛を味わうことになります。薬の力を借りても半年以上はかかる病気ですので、早く回復するためにも服用することが重要です。そして、医師から処方される薬というのは、人それぞれです。不安になって調べたりすると自分とは違うこともありますが、その情報に振り回されないようにすることが大事になります。うつの症状は十人十色で回復までのプロセスもベースとなるものはあるものの、ある意味オーダーメイドの治療で進められていくと考えておくことが大事です。医師との信頼関係を築き情報に振り回されないようにします。
Copyright © 2017 うつ病の改善には薬の服用が欠かせない|正しい知識を知っておこう All Rights Reserved.