メンタル治療の第一歩
心療内科医の選択
うつ病の症状としては、抑うつ気分などの精神症状と睡眠不足などの身体的な症状が挙げられます。内科的な病気であれば検査結果から状況を把握しましょう。その数値にあった薬剤を選択し、適切な量を投与することになります。また、外科的な治療が必要な病気であれば、レントゲンなどで病巣を確認してそれを切除することになります。すなわち、具体的に症状を把握し、それに応じた治療が客観的に定まります。これに対してうつ病の場合は、その症状を具体的に数値することができません。治療には認知行動療法などもありますが、基本的には服薬による治療が中心となります。効果的な治療を行うためには、主治医から処方された薬を服薬指導に従って飲み続けることが重要となるでしょう。しかし、どの薬を選択してもらうかを把握してもらえる主治医がいる病院を選択することがもっとも重要です。一口にうつ病と言いますが、双極性障害や躁うつ病などタイプも様々にあります。また、症状の重い軽いも患者個人個人によって異なります。このため、うつ病の治療はもちろん投薬基準に基づいて行われることになりますが、それ以上に患者から症状を聴き取り症状を把握し、間違いのない診断を行うことが重要です。薬剤にはどうしても副作用が伴いますので、この症状に効く薬剤に限定して投与しないと、治療の効果が上がらないどころかそれを上回る副作用が発生してしまいます。主治医の仕事は確かな病名をつけるために患者の話を聴くことと観察が重要です。従って、診察を受けるに当たってまず検討すべきことは、患者の話に耳を傾けることに熱心かつ時間を取ってくれる医師がいるかどうかです。病院についてはどんな診療科であれ、口コミなどで評判がいいとか、よくないとかの話があります。しかし、うつ病の場合は個人によって症状が異なる病気ですので、誰かにとってよかったからと言ってそれが自分にとってもいい病院、医師であるということにはなりません。医師と患者として話をしていきますが、人間同士ですのでそれぞれに個性があります。このため、なんとなく相性が悪いということも起こりえます。従って、口コミを頼って選択した病院で診察を受けてみて合わないと感じたのであれば、別の病院や医師の診察を受けることも考える必要があります。話がしにくいということはもちろんですが、自分が訴えている症状を緩和する治療が行われていないと感じたりした場合も別の病院の診察を考えてみた方がいいです。心療内科や精神科などは、一般の外科などに比べれば医療機器もそんなに必要としませんので、ある意味開設することが比較的容易です。このことは、いろいろな個性を持った病院や医師が存在することを意味しています。逆に言えば、選択肢も様々にあるということです。自分に適した病院を見つけるまで妥協しないことが、早期寛解につながると言えます。メンタルヘルスに不調を来す人が増えていますので、予約を取りにくいという状況もあります。しかし、慌てずに病院や医師選びを行うことが他のどの病気よりも必要であると言えるのではないでしょうか。